コールセンターのテレアポ業務で、
「今のままで間に合ってるから大丈夫だよ」
「うちは、そういうの使わない主義なんだよね」
こう言われて、何もできずに電話を切った経験、ありませんか?
いくらサービスの価値を伝えても、そもそも「変わりたくない」気持ちが強い相手には、届かないことが多い。
でもその“変わりたくない心理”――実は、心理学的にしっかり説明がつくんです。
今回は、人間の無意識にある「現状維持バイアス」という心理傾向を取り上げ、
それを“逆手に取る”ことで、断られにくい提案ができるテレアポトークを解説します。
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テレアポ架電時「うちは今ので間に合ってる」の断られる
テレアポをしていると、こんなセリフに何度もぶつかります。
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「いや〜、今の業者で十分なんだよね」
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「もう使ってるから、乗り換える気はないよ」
-
「別に困ってないしなぁ…」
こちらは「もっと便利になる方法があります」と思っているのに、相手の口から出てくるのは、「今ので足りてるから、いらないよ」という言葉ばかり。
“提案”というより、“現状の否定”と受け取られてしまっているのかもしれません。
現状維持バイアスとは?|人は「変化」より「現状」を選びがち
「現状維持バイアス(status quo bias)」とは、人は合理的な理由がなくても、“今のまま”を選びやすい心理傾向のこと。
たとえば:
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古くて不便なスマホでも「まだ使えるし」と買い替えを避ける
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新しい保険の提案を聞いても「このままで大丈夫かな」と考えてしまう
これは、変化には「損をするリスク」や「失敗したらどうしよう」という不安がつきまとうから。
つまり、「今のままでいい」という判断には、安心感と損失回避の心理が働いているのです。
テレアポでも、こうした“変わりたくない気持ち”を前提にしないと、提案が届かなくなります。
テレアポでの応用|“変化”をゴリ押しせず、“現状の延長”で話す
では、どうすればこの「変わりたくない心理」をテレアポ架電時に越えられるのでしょうか?
ポイントは、変化を勧めるのではなく、今の延長線に見える提案にすることです。
✅たとえば、こんなトーク例
NG例(変化を強調)
「今の契約より、うちのほうが断然お得ですよ!」
→ 相手に「今のを否定された」と思われやすい
OK例(現状維持バイアスに寄り添う)
「今のご利用状況に“+α”することで、手間は変わらずもっと楽になります」
「今の使い方に近いままで、毎月少しお得になる内容です」
→ “変える”のではなく、“今のままでも得になる”印象に
✅訪問提案時の工夫
「見直すというより、今の内容を“確認しておくだけ”のご提案です」
→ 「変える」ではなく、「確認」という表現で抵抗感を和らげる
注意点|テレアポでは“変わりたくない”心理を否定しない
現状維持バイアスは、誰にでもある自然な心理です。
「なんで変えようとしないんだろう」とイライラしてしまうと、提案もうまく届きません。
むしろ大切なのは、こう考えることです。
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✅「安心したい気持ちを持っているんだな」
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✅「今のままでいたいという選択も、ちゃんとした判断なんだ」
この気持ちを尊重しつつ、「それでも、こういう方法もあるんですよ」と、“選択肢を見せるだけ”のスタンスで提案することが信頼につながります。
まとめ|人は誰でも、“今のまま”を選びたくなる心理をテレアポで使う
テレアポは、「変わってもらう」ための会話ではなく、「選択肢を提示して、安心して選んでもらう」ための会話。
もし今、提案がなかなか届かないと感じているなら、それはあなたの提案の価値が低いのではなく、相手が“今のまま”を選びやすいだけかもしれません。
“現状維持バイアス”を知っていれば、そうした相手にイライラせず、寄り添うようなトークができるようになりますよ。